沖縄での春季キャンプ。今江新監督からMVPに選出されたのは2年目の平良竜哉だった。出場機会を求めて外野にも挑戦した170センチの内野手に対して指揮官は「チーム打撃、セーフティーバント。外野に挑戦とか、やることが多い中で本当にやりきった」と高く評価した。
2月18日の
日本ハムとの練習試合(金武)では、キャンプMVPにふさわしい活躍を見せた。一番・左翼で先発すると2安打1打点。2安打とも低めの変化球に体勢を崩されながらも、しぶとく食らいついた。フルスイングが信条だが、ミート力も向上している。
一方、7回無死二、三塁の好機では高めの直球を振り切って左犠飛。指揮官の語るとおり、状況に応じた打撃を披露し、今キャンプの実戦では12打数6安打と開幕一軍へ猛アピールした。
NTT西日本を経て、ドラフト5位で2023年に入団。新人だった昨季、即戦力として期待されたが、一軍出場はゼロに終わった。悔しさをバネに、オフは
巨人・
坂本勇人の合同自主トレに参加した。「打撃だけじゃなくて守備の部分でも本当にすごい方。(坂本さんから)一つでも多く学べるように」と成長につなげてきた。
キャンプ直前には髪の毛を8ミリまで短くし、丸刈りにするなど、並々ならぬ決意で挑む。昨季、二軍で102試合に出場しフレッシュオールスターにも出場した若武者は「満足せず、もっとアピールしたい」と短い言葉に力を込めた。どんな結果を残そうとも気を緩めることなく、開幕一軍、そしてレギュラー奪取に向け研鑽を続けていく。
写真=BBM