今年の日本シリーズ第5戦、打席の
巨人・
加藤健捕手への札幌ドーム4万人のブーイングの音量はすさまじいものだった。あれでは、隣の人と大声で話し合っても聞こえなかったことだろう。この球場の「聞こえない」が、野球観戦の大きな楽しみの1つを“絶滅”させてしまったと筆者は思っている。それは、当意即妙のヤジである。これは野球観戦の最高のスパイスだったのに。
野球のヤジは、大学野球とともに始まった。早慶戦が、1906年に中止になったのも、早稲田の吉岡信敬という学生がヤジ将軍と呼ばれ、ヤジりまくったことで、ヤジ合戦が過熱したことが原因のひとつだった。
東京六大学野球の行われる神宮球場には、名物のヤジ男がたくさん現れては消えていった。筆者がいまでも思い出してはクスリとなる、当意即妙の一発を紹介しよう。70年代初めのものである。「立教、ラッキョウ、風呂屋の煙突。みんなで登って煤(すす)だらけ」
これはちょっと解説を要する・・・
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