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幻に終わった「正力松太郎」コミッショナー。GHQ内の権力争いに巻き込まれたのは不運だった。

 

文・平野重治


 コンクラーベが終わり、新しいローマ法王が決まった。80歳未満の枢機卿たちで選ぶそうだが、この漢字3字の読みは「すうききょう」。筆者のような世代には、この読みがどうもしっくりこない。「すうきけい」でないと感じが出ないのだ。手元の『岩波国語辞典』(1984年発行)には「すうきけい」とある。O.プレミンジャー監督の傑作『枢機卿』はもう50年ぐらい前の映画だが、筆者はこの映画で「すうきけい」という読みを知った。「すうきけい」が、いつ、なぜ「すうききょう」にすり替わったのか知りたいものだ。

 それはともかく、「プロ野球の法王」と言えば、コミッショナーということになる。しかし、現在の野球協約では、オーナー会議が最高決定機関であることが明記されており、コミッショナーは全体の調整役的存在。以前の協約ではこの点がアイマイで、勇気あるコミッショナーは、オーナー連を向こうに回して自己主張を行った。内村祐之、下田武三といった人たちだ。その姿はあたかも世俗の最高権力者である神聖ローマ帝国皇帝を叱りつけるローマ法王の如くであり、拍手を送ったものだ。

 日本のプロ野球の初代コミッショナーは・・・

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