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旧市民球場は女性ファンで華やかなマツダ広島とは真逆でブッソーなオジサンの世界。これが証拠写真。面白かったけどネ

 

文=平野重治


“カープ女子”がスタンドの中心勢力になってからは、広島東洋カープの本拠地球場は、華やかさが特色になり、昔のようなバ声が飛び交い、時には、ビールびんが飛んできて、果てはファンがグラウンドへ乱入、なんて物騒なことはなくなったが、四半世紀前の1990年当時は、まだ、こんな写真のような驚くべき光景が見られた。

 90年5月12日の広島-巨人戦(広島市民)、5回裏が終了すると、突然こんな忍者のような装束の男がバックネットをのぼり始め、アッという間に高さ13メートルの最上部に到達。そこでやおら3本の垂れ幕のようなものをネットに固定して「どうだ!」のポーズ。

 垂れ幕には「巨人ハ永遠ニ不ケツデス!」「天誅!悪ハ必ズ滅ビル!」「ファンヲアザムクナ!」の文字が。男はその後、銀紙製の手裏剣やオモチャの手榴弾を投げつけるなど、やりたい放題。スタンドのファンは、初めは「もっとやれ、やれ!」とはやし立て、拍手したりしていたが、試合が9分も中断するに及んでは、許されざる行為となった。男は駆けつけた広島中央署員に「威力業務妨害」の現行犯で御用となった。男は、逮捕されたあとも「子どもに夢を与えるのがプロ野球なのに、いまの巨人はけしからん!」と取り調べ官にぶちまけていたとか。

 なぜ「巨人はけしからん!」なのか。巨人・桑田真澄投手は、登板日漏えいの事実はなかったが、高級時計、100万円ほどの金銭の受領があったにもかかわらず球団に虚偽の報告をしていたということで、3月30日、巨人は桑田に罰金1000万円、1カ月の謹慎処分を科していた。これが忍者男を怒らせたらしいのだ。このオッサン、ひょっとしたら、広島ファンではなく巨人ファンだったのかも。それにしてもバックネット最上部までのぼるスピードは、お見事の一語だった!?

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過去の写真から野球の歴史を振り返る読み物。

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