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“パンチョ”は見た!
あの延長28回は、9回表のゆがんだ「2」の呪い!?
大久保クン、延長の多さを嘆くなかれ

 

文=平野重治、写真=BBM



 この号が出るころ、後半戦も各チーム10数試合を消化しているが、オールスター期間中の気分転換はうまくいったろうか。

 楽天の球宴前最後の試合(7月15日、対西武、西武プリンス)後の楽天・大久保博元監督のひと言が、まだ耳に残っている。0対4の劣勢を9回に4点奪って同点とし、延長11回に3点を入れて大逆転勝ちした試合だった(7対4)。大久保監督は「もう、いっぱい、いっぱい。勝った感じがしない。連敗も忘れたよ(この試合の前まで4連敗)」。もう精も根も尽き果てたという感じ。延長戦は14回目。決め手に欠けるチームにウンザリ、というところか(7月30日現在5連敗。気分転換に失敗!?)。

 しかし、デーブ君、いまの延長12回なんて甘いもんですよ。プロ野球には、その倍以上の28イニングを戦った記録があるのだから。しかも、その28回、表裏合わせて56回も攻守があったのに、登板した投手はたった2人。つまり2人とも28回完投。そう、1942年5月24日の、あの大洋-名古屋戦(後楽園)だ。大洋・野口二郎、名古屋・西沢道夫両投手は、最後まで投げ抜き4対4の日没引き分け。野口は343球、西沢は311球を投げた。試合は8回まで4対2で大洋がリード。大エース野口なら、試合はほぼ決まり。ところが、その野口が、9回表、名古屋の五番・古川清蔵に同点2ランを打たれてしまったのだ。その裏から、延々とスコアボードにゼロが並ぶことに。

 この試合を、あのドラフト会議の名調子で有名な故“パンチョ”伊東一雄さん(元パ・リーグ広報部長)がたまたま見ていた。「父が後楽園の株主なので無料パスがあった。それであの試合を見ていた。後楽園のスコアボードの数字にはゆがんで前にのめった2があるんですよ。それが出るといつも試合がおかしくなる。あのときも9回表にそれが出た。案の定……」。なるほどあの2はやや前のめり。ゆがんだ2の呪いだった!

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