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監督に最も必要なのが「日本語力」。史上最強の日本語力の持ち主は、あの阪急などで指揮を執った上田利治氏。レベルが違った!!

2016年7月26日(火) 10:00 

文=大内隆雄


「監督を目指す人は、まず、日本語を学ばんと。言葉を知らないとコミュニケーション不能に陥るぞ」と言ったのは、豊田泰光氏。野球のみならず“言葉の魔術師”でもあった三原脩西鉄監督のもとで鍛えられた人らしいセリフだ。

 だれとは言いませんが、3人の元監督のユニークな?日本語を思い出した。「目前」を「めまえ」と読んだ人。「目の当たり」を「めのあたり」と読んだ人。「一矢報いる」を「いちやむくいる」と読んだ人。正しい読みを書いておく。「もくぜん」「まのあたり」「いっしむくいる」。「ホンマかいね?」と信じがたいという表情をする読者もいるでしょうが、これ、ホントです。

 そう言えば著名なスポーツライター(野球が主)が「いちや……」を連発していたことを思い出した。まあ「他人事」を、「たにんごと」と何度も繰り返すコメンテーター(新聞記者!)もいるし(正しくは「ひとごと」)、プロ野球の監督ばかりを責めては、公平を欠く気もするのだが、間違いは間違い。言葉に対してはセンシティブであってほしい。

 こんな心配がまったく必要ない監督が1人だけいた。その名は上田利治。もちろん、あの「エエで、エエで!」のウエさんだ。阪急などで1322勝もした大監督。「関西大に一番で合格した」とか「記者が質問する前に答えてしまう」とか、伝説には事欠かない人だが、その昔、西宮球場の選手食堂で乱数表の“講義”を受けたことがあったが、その説明の巧みさ、表現の的確さに舌を巻いたことがある。東京遠征があると、必ず神田の古書店「東陽堂」に足を運んだ。ここは巨人などでプレーした故・高林恒夫氏の経営する老舗で、仏教関係の書籍が中心だが、高林さんによると「毎回ドサッとお求めになります。プロ野球関係でお見えになるのは、上田さんぐらいですねえ」。仏教書をひもとく人が、漢字を知らないはずがない。

 そう言えば、先の豊田氏と対談してもらうため、迎えの車に同乗したときのこと。開口一番「週刊ベースボールの発行部数はナンボ?」。これにはビックリした。とにかく好奇心旺盛なのだ。そんなウエさんらしい1枚を選んでみた。

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おんりい・いえすたでい

過去の写真から野球の歴史を振り返る読み物。

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