文=大内隆雄
2017年が明けた。干支は酉(とり)。トリ年生まれのプレーヤーは、最年少で1993年生まれ。そこから81年、69年……とさかのぼるのだが、プロ野球の現役は81年まで。案外、その幅は狭いものである。
17年、そのトリ年プレーヤーの大活躍を望みたいものだが、この年生まれのトッププレーヤーは、やはり
ソフトバンクの
和田毅投手だろう。最多勝と最高勝率。早大1年時から追っかけ的に見てきた筆者としてはうれしくも頼もしい限り。16年に和田の母校・早大から
楽天に入団した
茂木栄五郎内野手は、ショートのレギュラーを勝ち取り、打率.278を打った(14位)。三塁打7はパ・リーグトップタイ。2リーグ制以後では初となるシーズン2本のランニング本塁打。今年は、このトリ年プレーヤーにも大いに期待したい。
早大OBの筆者は、さて、プロ野球史上早大OBでトリ年生まれの最高のプレーヤーは誰だろうか、と記憶の糸をたぐってみると、やはり、57年組の
岡田彰布内野手(元
阪神ほか)ではないか、という結論に達した。タイトルは80年の新人王のみだが、こちらも早大1年時からウオッチングしているので、愛着がある。小誌連載『そらそうよ』でもおなじみだが、還暦を迎えても野球専門誌に連載を持つというのは、やはり、“サムシング”がある野球人なのである。
早大OBでは、ぐっと古いところで1909年生まれの
中島治康外野手(元
巨人ほか)がいる(この人、最近よく登場する)。日本初の三冠王(38年秋)。首位打者、本塁打王各2回。打点王4回のスーパー打者。岡田よりこっちが上だろう?ウ〜ム、そう言われると……。サムシングだってあるぞ。ワンバウンドをホームランしたそうじゃないか。ウ〜ム、ウ〜ム。戦前の巨人最後の優勝監督(43年)であり、戦後再開の年(46年)の監督でもある。巨人の苦しい時代に滅私奉公で尽くした人ではないか。ウ〜ム、ウ〜ム、ウ〜ム。ここは早大出身のトリ年生まれの最高のプレーヤーは中島ということにしましょう。写真は36年か37年の中島。背番号「3」のはずが、どう見ても「14」。これは
沢村栄治のものだ。ナゾである。