作家の出久根達郎さんがどこかの人生相談欄で「ラブレターという言葉はちょっと古めかしい……」と書いていた。「ラブレターが古めかしいとは？」と、しばし考えてしまった。しかし、すぐ自分こそ古めかしいことに気がついた。今はラブレターよりラブメールの時代ではないか。

　最近は、自分の古めかしさに、トシを実感することがしばしば。今週号は開幕特集号だが、オールド編集者は「開幕」と聞くと反射的に「雨だけはご勘弁を」と天に向かって手を合わせてしまう。昔はドーム球場なんてものはなかったから、雨天中止がしばしば。「セ・パ開幕6試合が全部中止なら、開幕後第1号の『週ベ』はページが埋まらない」という最悪の状態が頭をよぎる。現実にはほとんどあり得ないことなのだが、このアホな取り越し苦労は編集者の性。昔の開幕シリーズは土、日の2連戦。日曜までは締め切りに間に合うのだから、土曜が中止でもなんとかなるハズなのだが、それでも「ご勘弁を」と心配してしまう。

　今シーズンの開幕日(3月31日)の6試合のうちドーム球場は4試合。「いまの編集者は天国だなあ」とうらやましくなる。しかし、これこそ古めかしさの証明。現代の編集者は・・・