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「代打(逆転)サヨナラ満塁本塁打」の醍醐味は1点差のうっちゃり。打者は狂喜、ベンチとファンは乱舞だが、打たれた投手は……

 

 プロ野球の開幕シリーズで、ド派手なサヨナラ本塁打が飛び交った。4月1日の巨人中日戦[東京ドーム]では、巨人・阿部慎之助が逆転サヨナラ3ラン。翌2日のヤクルトDeNA戦[神宮]では、ヤクルト・鵜久森淳志が代打サヨナラ満塁弾。Gファン、Sファンにはたまらない試合だっただろう。

 以前、「代打逆転サヨナラ満塁本塁打」第1号の元巨人・樋笠一夫さんに話を聞いたとき、「あれはね、1点差で引っくり返すところに醍醐味があるんや(樋笠さんの一発は1956年3月25日の対中日戦=後楽園=で4対3で巨人)。言うなれば、釣り銭なし(正確には釣り銭1円だと思うのだが……)」と言った。で、樋笠さんは色紙にサインを求められると必ず「釣り銭なし」と書き添えた。

 鵜久森の一発で代打サヨナラ満塁弾は16本となったが、この一発の出た試合は8対4で釣り銭なしとはならなかった。16本中、釣り銭なし逆転弾は3本。3本のうち、もっとも経済的、効率的だったのが樋笠さんの4対3。ほかは6対5、7対6で樋笠さんが胸を張るのは当然なのだ。

 しかし、6対5の試合の一打のものすごい中身を知れば、さすがの樋笠さんも脱帽したはずだ。それは近鉄・北川博敏が2001年9月26日の対オリックス戦[大阪ドーム]で放ったもので・・・

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