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第45回学生野球表彰選手及び表彰部員発表
亜大・東浜、大阪桐蔭・水本ら全国から72名を選出して表彰

1月10日、日本学生野球協会は2012年度の表彰選手及び部員72名(全国大学野球連盟から26人、各都道府県高野連46人)を発表した。
対象は各連盟から推薦された、文武両道で今春卒業見込みの部員。
大学の部では、東都大学リーグで通算22完封、同420奪三振の歴代最多記録を樹立してドラフト1位でソフトバンクへ入団する亜大・東浜巨投手、高校の部では春夏甲子園連覇を達成した大阪桐蔭高から水本弦主将らが選出された。

【高校の部】

 1月10日に日本学生野球連盟から発表された学生表彰・高校の部は、今春卒業見込みで最終学年の選手、部員の46名が選出された。

 表彰者は、主に甲子園に出場した高校から各都道府県連盟の推薦によって各校の硬式野球部主将を中心に選出されるが、今年も軟式野球部から2名が選ばれた。

 岐阜県の中京高は、昨年に続き全国高校軟式野球選手権を制した。優勝は中京商高時代を含めると6度目で、連覇は同校が1999年に達成して以来の快挙だ。

 表彰された大矢将之主将は、8月29日に行われた文徳高(熊本)との決勝戦は太ももの負傷で途中交代。それでも、ベンチから懸命に声を出し、痛めた足を引きずりながら伝令に走った。そして迎えた優勝の瞬間、「本当に苦しかった。でもこの喜びを味わうためにやってきたと思うのでうれしい」と声を震わせた。

 また、同校を率いた平中亮太監督は、中京商高の主将だった99年大会で連覇を果たしており、選手、監督の両方で2連覇を経験したのは大会史上初となった。

 同じく軟式からの表彰となった福岡大大濠高の天野裕樹主将は、強打の四番としてチームをけん引。九州大会連覇、全国ベスト4、国体3位の好成績が評価された。

 硬式の部では、センバツ、選手権と史上7校目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭高の水本弦主将が表彰された。同主将は昨夏に開催された18U世界選手権でも主将を務め、卒業後は東都大学一部リーグの亜大への進学が決まっている。

 昨夏の甲子園で3回戦進出の浦添商高からは、大会で伝令役を務めた背番号18の阿嘉将吾外野手が表彰。同選手は、1回戦(対愛工大名電高)の4回二死二、三塁のピンチに伝令へ向かうと、マウンド手前で大きく転び、すかさず両手を広げて立ち上がる

 体操ポーズ"を披露。球審にはやんわりと注意されたが、ナインの爆笑を誘い、チームを和ませるという役目を務め上げてみせた姿が印象に残っているだろう。

 和歌山・那賀高の福井真元投手は、硬式では唯一となる甲子園経験がない選手としての表彰だ。昨夏の和歌山大会では智弁和歌山高に惜敗したが、エースとしてチームを近畿大会出場へ導き、春夏通じて初の甲子園まであと一歩に迫った健闘ぶりが認められた。

 また、栃木県は昨年の青森県に続いて、今回の表彰選手の推薦を見送った。

【大学の部】

 全国26の大学連盟から、今春卒業見込みの学生、及び学業と部活動を両立した者が選出された大学の部。

 東都大学リーグからは、11年秋からの一部リーグ3連覇に貢献し、22完封、420奪三振など1年春から1シーズンも休むことなく投げ抜き、数々のリーグ記録を更新した亜大・東浜巨投手が表彰。そして、昨春の大学選手権を制した東京六大学リーグの早大からは、主砲として存在感を発揮し、秋季リーグ戦でリーグ5年ぶりの三冠王を獲得した杉山翔大副主将が表彰された。それぞれ、卒業後はソフトバンク(ドラフト1位)、中日(同4位)へ入団することが決まっており、プロでの活躍も期待される選手だ。

▲エース兼主将として亜大をけん引した東浜。今春からプロの舞台へと活躍の場を移す。写真は秋季リーグ戦の閉会式[写真=BBM]



 そのほかのプロ入り組では、道都大(札幌学生)の佐藤峻一投手(オリックス2位)、創価大(東京新大学)の小川泰弘投手(ヤクルト2位)、東海大(首都大学)の伏見寅威主将(オリックス3位)、大体大(阪神大学)の松葉貴大投手(オリックス1位)が表彰を受けた。

 12年度限りで閉校が決まっている三重中京大からは、チームの四番を担った法本剛弥捕手が表彰された。

 同校は昨春の大学選手権では1回戦で大体大に敗れたものの、同秋の神宮大会では初戦で京都学園大に6対4と勝利した。続く法大戦に敗れ硬式野球部としての活動は終了したが、エース・則本昂大投手が東北楽天からドラフト2位指名、宮崎駿外野手が福岡ソフトバンクから育成ドラフト4位指名を受けており、同校のラストイヤーで“有終の美”を飾った。

 九州地区大学は西日本工大の左腕エース・井上翔夢が同連盟の推薦を受け表彰。昨春の九州地区大会で3連投を見せるなど、チームを4季ぶりの優勝に導いたピッチングが評価された。

 また、選手以外の部員では、白鴎大(関甲新学生)の磯江泰源マネジャー、龍谷大(関西六大学)の佐藤陽マネジャー、阪南大(近畿学生)の安達隆晃マネジャーの名前が読み上げられた。


★アマチュアNewsフラッシュ★
桑田真澄氏が東大コーチに就任

 1月8日、東京六大学リーグに所属する東大硬式野球部は、巨人、メジャー・リーグのパイレーツでプレーした桑田真澄氏が臨時コーチに就任することを発表した。通常、プロ経験者がアマチュア野球の指導者となるには一定の条件を満たす必要があるが、桑田氏が就任した特別臨時コーチの場合は所属連盟に届け出を行えば指導が可能になる。

 今回のコーチ就任は、昨年11月から桑田氏とPL学園高で同期だった元西武今久留主成幸氏がバッテリー部門を指導している縁で実現。今春から新たに指揮を執る浜田一志監督は「月に1、2度お願いすることになる。もちろん、課題だった投手力を向上させたい」と投手陣の育成を任せる考えを示している。

 現在、東大は同リーグで97年秋の5位を最後に30季連続で最下位に沈んでおり、46連敗中。10年11月からは元中日の谷沢健一氏も特別コーチを務めている。

 東大は14日に黒沢俊哉新主将(4年・渋谷教育幕張)の下で13年の練習をスタートさせており、桑田氏の初指導は20日を予定している。
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