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【大学 University】

第39回日米大学選手権大会注目プレーヤー(2)
水本弦[外野手/亜大1年]

バットと経験値で「日の丸」へ貢献誓う1年生

 第39回日米大学選手権へ向けての大学日本代表で、1年生ながら唯一メンバー入りを果たした亜大・水本弦(大阪桐蔭)。1年生野手の代表入りは、原辰徳(東海大、現巨人監督)、井口忠仁(=資仁・青学大、現千葉ロッテ)、松田宣浩(亜大、現福岡ソフトバンク)、萩原圭悟(関学大、現ヤマハ)以来5人目の快挙だ。

 ヤングジャパンを率いる善波達也監督(明大)は、メンバー選考の意図をこう明かした。「期待しているのは打撃の部分。リーグ戦、大学選手権と好調だったので、それをジャパンでも出してくれればいい」

 今春の東都一部リーグ戦では、開幕戦の青学大1回戦から「五番・左翼」でスタメンに名を連ね、初打席初安打をマーク。同3回戦で初打点を挙げると、その後も12試合に出場し、打率・349、1本塁打8打点の成績を残し、チームの4季連続優勝に貢献し、満票でベストナインに輝いた。6月に行われた大学選手権でも好調をキープ。近大工学部との1回戦にも「六番・左翼」で出場し、大会タイ記録となる1試合3二塁打を放ち、チームの好発進を導いた。惜しくも日本一には届かなかったが、追加招集で大学日本代表選考合宿へ。

 選考合宿で行われた紅白戦では、3試合で9打数2安打1打点。水本自身は「まだまだ満足できる結果ではなかった」と振り返るが、シャープなスイングが首脳陣の目に留まり、代表入りを勝ち取った。

 亜大で指揮を執る生田勉監督は、ルーキーについてこう語る。「さすがは高校(大阪桐蔭)で日本一になったチームの主将。精神的に強い部分があるし、将来はチームの柱になってくれると期待しています」

▲昨年の18U世界選手権[写真]に続いて2年連続で日の丸を背負う亜大・水本[写真=BBM]



 水本が持つ他選手にはない武器。それは「経験値」だろう。2012年に大阪桐蔭高の主将として甲子園春夏連覇を経験。昨夏の甲子園後に行われた18U世界選手権でも、主将として花巻東高・大谷翔平(現北海道日本ハム)、大阪桐蔭高・藤浪晋太郎(現阪神)らとともに日の丸を胸に世界を相手に戦った。今大会のメンバーで、前回の日米大学選手権に出場した選手は大瀬良大地(九州共立大4年・長崎日大)と主将の梅野隆太郎(福岡大4年・福岡工大城東)の2人だけで、水本は“本気のアメリカ”を知る数少ない選手だ。

 勝負強い打撃と経験値。2つの武器を持つ1年生が、2大会ぶりの優勝を目指す善波ジャパンの力となる。
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