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第97回全国高校野球選手権大会 和歌山大会

 

初芝橋本・黒瀬健太が注目の夏初戦でノーアーチもサヨナラ勝ち


 ネクストバッターサークルでサヨナラの瞬間を迎えた初芝橋本のスラッガー・黒瀬健太は、祈るような思いでその時を見つめていた。

「もちろん、自分に回ってきたら自分が決めるつもりでしたけれど(前打者の)寺埜が決めてくれると思っていました。厳しい試合でしたけれど、勝てて良かったです」

 日高中津との2回戦(7月12日)。10球団のスカウトが見守る中、高校通算97本塁打の打棒に熱い視線が注がれたが、結果は4打数無安打に終わった。「夏の球場の雰囲気にのまれて力んでしまいました。まだまだですね」と本人は苦笑い。日曜日で、しかも春の県準V校との好カードということもあり、球場には多くのファンが詰めかけ今までにない緊張感にさいなまれてしまったようだ。

3ケタの大台までカウントダウンに入った黒瀬だったが、日高中津との1回戦は無安打に終わった。しかし、主将としての役割に徹してチームはサヨナラ勝ち(4対3)を収めた(P)URP



 延長13回の熱戦となったこの試合、初芝橋本の押し出しサヨナラ死球で幕を閉じた(4対3)。捕手・黒瀬は10回、ブロックした際に走者と本塁で激突し、左足がつって退場する場面もあったが、つらい素振りも見せず最後までマスクをかぶり、ファウルグラウンドに飛ぶボールを全力で追いかけた。ピンチでも笑顔で仲間を鼓舞し、主将らしい一面ものぞかせた。

 1年秋から背番号2をつけ、その類いまれなパワーと、恵まれた体格から見せる鋭いスイングは当時から異彩を放つ存在だった。1年秋に打撃フォームを改造して以降、昨秋には練習試合で5打席連続・・・

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