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センバツ選考委員会「1.29」を待つ球児たち

 

投打でチームをけん引する圧倒的な野球センスの持ち主




 気迫をみなぎらせる右腕は、ここ一番の場面で三振を奪うと、右の拳を握り締めマウンド上で吠える。

 コンパクトなテークバックで腕をたたみ、ヒジから勢いよく繰り出す吉高壮(2年)のフォームは躍動感がある。最速142キロの重くて力強い直球と、打者の手元で鋭く落ちるスプリットを初見で見極めるのは難しい。狭間善徳監督の期待も高く、1年秋からエース番号を背負う。チームには140キロ超の本格派投手が吉高以外にも複数いるが、安定感では他の追随を許さない。しかし失点すると、辛抱し切れない欠点があった。

 そんなもろさを抱えたエースの転機となったのが、昨夏の兵庫県大会。育英高、報徳学園高、神戸国際大付高と並み居る強豪私学勢を退け決勝進出。5年連続準々決勝敗退だったチームを、準優勝へと導いた。

「夏あそこまで行ったのがかなりの力になっています。(2回戦の)洲本戦で9回に3点差を逆転したり、先輩たちが打って逆転してくれた。一戦一戦、日に日に成長しているのが見えた夏でした」

 ピンチを作っても後続を断つ。生還を許しても最少失点で切り抜け終盤の逆転劇につなげる。少し大人になった吉高のピッチングに直接、褒めることはほとんどない狭間監督も目を細めた。

あこがれの先輩から学んだ2つの助言


 吉高自身は昨夏、伝家の宝刀・スプリットに手応えを感じていた・・・

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