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国際武道大に将来性高い侍ジャパンコンビが加入/千葉県大学リーグ

 

4年後の“即戦力“を目指す勝俣翔貴と豊田寛


侍ジャパンU-18代表として昨夏のU-18W杯で準優勝に貢献したスラッガー・勝俣翔貴(東海大菅生高)と豊田寛(東海大相模高)が、東海大系列校で千葉県大学リーグを31度制している国際武道大に進む。

 東海大時代を含めて監督就任36年目を迎え、通算616勝を挙げている岩井美樹監督は「よく来てくれた。いずれは右打者の豊田が四番を、左打者の勝俣がその前か後ろを打つようになってほしい」と目を細める。

 勝俣は投打の二刀流でプロ注目の存在だったが、「2位以上で指名されればプロへ、3位以下なら進学」と臨んだドラフトでは指名漏れ。「大学で自分を磨けるだけ磨いて、4年後にはドラフト1位で指名される選手になっていたい」と意気込む。

 昨夏の甲子園は不出場ながら、野手として出場したU-18W杯では8試合で打率.545、1本塁打、12打点。首位打者と打点王の2冠に輝いており、木製バットへの対応は実証済み。大学では野手一本に絞り、三塁を守る予定だ。岩井監督は「逆方向へ打てるのが強み。春から三塁で使って、育てる。『失敗を怖がらずにやりなさい』と言っています」と育成プランを明かした。

高校に続き大学でも目指すは世界一奪取


 豊田は高校通算38本塁打の長打力を誇り、昨夏の甲子園では「四番・右翼」として45年ぶり2度目の全国制覇に貢献。U-18W杯では2試合で五番を打ったが、代打で出場したオーストラリア戦で死球を受け、左ヒザを負傷。その後は一塁コーチとして準優勝したチームを支えた。

 高2の冬の時点で「野球ができる環境が整っていて、自分を鍛えられる場所」と国際武道大への進学を希望していた。「早くレギュラーになって、ベストナインを獲るのが目標です」と目を輝かせる。指揮官は「足も速いので、まずは一番で起用してみたい。将来的には右の長距離砲になってほしい」と期待している。

 国際武道大には合宿所がないため、2人とも2月から大学近くのアパートで初めての一人暮らしを始めた。「親に教わって自炊している。楽しくやっています」と言う勝俣に対し、豊田は「ご飯が作れないので、外食ばかりです」と苦笑いする。

 国際武道大の全国舞台での最高成績は、1989年の大学選手権ベスト4。2人の目標は、日本一だ。

「チームを勝たせる打者になって、日本一を目指したい」(勝俣)

「高校で日本一を経験したけど、簡単にできることではない。ずっと厳しい練習に耐えてきた。大学でも自分で考えてどれだけやったかが結果に出ると思う」(豊田)

 また、2人はこう口をそろえた。

「大学でも代表に入って、今度こそ世界一になりたい」

 日本の、そして世界の頂点を目指して。即戦力ルーキーたちが、第一歩を踏み出した。(文=佐伯要)



(写真右)とよだ・ひろし●1997年4月28日生まれ。神奈川県横浜市出身。178cm84kg。右投右打。川上北小1年から戸塚アイアンボンドスで野球を始める。名瀬中では戸塚シニアに所属。東海大相模高では捕手として1年秋からベンチ入り。2年時から外野手で2年夏の甲子園は2回戦敗退。2年秋は県大会4強。3年春から四番で同夏の甲子園では打率.381、1本塁打、6打点で全国制覇に貢献した。第27回WBSCU-18W杯では3試合出場。高校通算38本塁打。

(写真左)かつまた・しょうき●1997年7月20日生まれ。神奈川県出身。180cm80kg。右投左打。箱根の森小1年から箱根フリッパーズで野球を始める。箱根中では小田原足柄シニアに所属。東海大菅生高では1年夏からベンチ入りし一塁手。2年秋にはエースとして東京大会を制し、明治神宮大会4強入り。3年春のセンバツは初戦敗退。同夏は西東京大会準優勝。第27回WBSCU-18W杯では打率.545、12打点で首位打者と打点王の2冠に輝いた。高校通算26本塁打。
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