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二塁手の理想は難しいゴロを難しく捕らず、やさしいゴロをやさしく捕らないこと

 

 本誌が今週号の特集で二塁手を取り上げている。大いにクローズアップしてやってほしい。二塁手は三塁手や遊撃手のように華やかなポジションではないから、スポットライトが当たることが少ないが、強いチームを作るためには、センターラインの強化は不可欠。中でも二塁手の果たす役割は大きい。

 今季、古巣の巨人の二塁には片岡治大井端弘和藤村大介の3人がいる。昨年は寺内崇幸をはじめ、中井大介、藤村、脇谷亮太(現西武)などが守って、レギュラーを固定できていなかったが、今年は人材が非常に豊富だ。

 開幕直後はいきなり片岡が活躍、足に張りを訴えて井端に交代したら、このベテランも右打ちの持ち味を発揮してチームに貢献した。井端がケガで休むと、今度は藤村が打ちまくるという具合。本来なら同じポジションに3人も必要ないのだが、誰かがケガをしても代わりを務める選手が何人もいる。それが巨人というチームの強さなのだ。

 ひと昔前の野球では、二塁手というのはしっかりと守ってさえいればよかった。ONの例もあるように、一、三塁手は攻撃でも主軸を打つが、二塁手は職人タイプで、つなぎ役を求められることが多かった。

 そのイメージで私の頭にすぐ浮かんでくるのが、土井正三さんと篠塚和典だ。この2人は巨人の球団史上1、2を争う名手だ。

 土井さんは捕手のサインを見て、打球の方向を予測していた。ある年のキャンプで、バッテリーの練習にやってきて「サインを教えろ」と言ってきたことがあった。私が入団して2、3年目ごろから、巨人は二塁手、遊撃手が捕手のサインを外野手に伝えるようになった。しかし・・・

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