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堀内恒夫の多事正論

堀内恒夫コラム「連敗地獄に陥った巨人。投手に託して、打線の奮起を促すしかない」

 

球団ワーストの13連敗を喫してしまった巨人。高橋監督らには知恵を出し合って浮上へのきっかけをつかんでもらいたい/写真=高塩隆


「まさか」というのは起きるものだね。破られることはないだろうと思っていた記録が破られてしまったよ。記憶から消し去りたい悪夢。巨人が球団史上ただ1度だけ最下位の屈辱を味わった1975年にエース・堀内恒夫を中心としたチームで作ってしまった11連敗の球団ワースト記録を、後輩たちがあっさり破ってしまった。菅野智之マイコラスの両輪がいるのだから、大型連敗はするはずがないと思っていたのに。

 記憶をたどってみよう。長嶋巨人がスタートした75年。開幕から調子が上がらなかった巨人は、シーズンも押し詰まった9月にとどめの11連敗を喫した。当然、最下位。私は10勝を挙げたものの、18敗。シーズン18敗は球団史上最多敗戦のタイ記録らしい。堀本律雄さんが60年に18敗を記録しているが、堀本さんはその年、29勝を挙げて最多勝、沢村賞も取っているのだから立派だ。

 あの年、私は好投したら味方が点を取ってくれない。打線が援護してくれたら、大量点を取られるなど、悪循環が最後まで続いた。エースの私がこんなていたらくでは勝てるはずがなかった。長嶋茂雄さんが引退し、王貞治さんが故障で出遅れ。主力も高齢化していた。V9の出がらしで戦っているような状態。結局、チーム力がなかったということだろう。

 そんな最悪のチームを超えてしまった。われわれの残した記録に・・・

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レジェンド堀内恒夫の球界提言コラム。

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