昨夏の甲子園では1回戦敗退に終わったものの、強烈なインパクトを残した2年生打者。それが佐久長聖高の左スラッガー・小川大樹だ。高校生離れした体格から繰り出されるバットスイングで、高校通算22本塁打を放ってきた。一見、特筆すべき点には見えないこの数字だが、そこに秘められていた事実は、大きな可能性を感じさせるものだった。 高校通算22本塁打が語る数字以上の意味
185センチ、93キロ。分厚い下半身を支える足のサイズも29センチ。履正社高校時代、「ナニワのゴジラ」と呼ばれた
岡田貴弘(T-岡田、現
オリックス)とほぼ同サイズのド迫力ボディーで、ひとたびバットを握れば155キロのスイングスピードを誇る。今年の高校球界を見渡しても、屈指のスラッガーだ。PL学園高時代、指導に関わった選手のうち11人がプロへ進んだ経験を持つ藤原弘介監督も「飛ばす能力は抜けています」と、長距離砲の資質に太鼓判を押す。
出身は新潟県の上越市。中学3年春に全国大会にも出場した上越シニアから、先輩も進んでいた流れに乗り長野県の佐久長聖高へ。入学直後から四番で出場し、順調なスタートを切ったが夏は全く打てなかった。「今思えば少し甘く考えてしまったのかもしれません」と振り返るが、そこから気持ちも新たに打撃を磨き、昨夏の県大会は18打数10安打(打率.556)、2本塁打、10打点。同校10年ぶりとなった甲子園でも、作新学院高戦で左翼線への二塁打、センター前と2本のタイムリー。左腕投手相手にも持ち味の力強い打撃を見せた。
取材日に目の当たりにしたフリー打撃でもとらえた打球はあっという間にグラウンドの奥深くへ弾かれていった。ただ、その飛びとその時点で22本と聞いた高校通算本塁打の数はいかにも合っていない気がした。そこで、もっと多くても……と尋ねてみると、2つの答えが返ってきた・・・
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