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ウエストボールに飛びついてスクイズ。ライン上に着地した場合の判定は?

 

スクイズを察知した投手は外角遠くに外して投げましたが、打者は飛びつくようにしてバットにボールを当て、スクイズを成功させました。バットにボールを当てた瞬間、両足は打席から外れていましたが、その直後に着地したとき、両足は打席のライン上にありました。この場合の判定はどうなりますか。

 スクイズは成功になります。規則6.06に打者が反則行為でアウトになる条項が並べてありますが(a)には「打者が片足または両足を完全にバッタースボックスの外に置いて打った場合」とあります。

 4月18日の楽天-ソフトバンク戦(Kスタ宮城)で1回表の無死一塁で、ソフトバンクの本多雄一は投手前に送りバントを成功させたかに見えましたが、球審から反則打球でアウトを宣告され、二塁へ進んだ一塁走者の長谷川勇也は一塁へ戻されました。バントした瞬間、左足が打席を大きく踏み出していたからです。

 本多は「自分のスタイルで一歩踏み込んでいく。いつもはギリギリだが、今日は思い切り出てしまった」と言っていましたから、アウトを宣告されても弁解の余地はありません。

 さて、問題の場合は、打った瞬間に両足は空中で、その後に着地したとき打席のラインの上ということです。6.06には「完全にバッターボックスの外に置いて打った場合」とあります。バットにボールが当たったとき両足が空中にあっても、着地したとき打席のライン上にあれば、打席の外に置いて打ったことにはなりません。ライン上は打席内に含まれます。

 ヤンキースのベーブ・ルースがこの反則打球でアウトになっています。1926年7月10日のインディアンス戦の6回裏に敬遠されそうになると、無理して打とうとして、片足が出てしまったのです。アウトを宣告されたルースは頭にきて、ボールを左翼席に投げ込んだといいますから、さすがに強肩の元投手だけのことはあります。
よく分かる!ルール教室

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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