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グラブを投げてボールに当てたら反則。当たらなければ?

 

投手のグラブを弾いた打球は一、二塁間を抜きそうになりましたが、これを追った二塁手は、グラブを投げてボールを止めようとしました。グラブは当たらずに打者は一塁に生きましたが、このプレーは正当な行為なのでしょうか。

 グラブがボールに当たらなければペナルティはありません。野球規則7.05には、次の場合、各走者(打者走者を含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することができるとありますが、(c)にこうあります。

「三個の塁が与えられる場合――野手が、グラブを故意に投げて、フェアボールに触れさせた場合。この際はボールインプレイであるから、打者はアウトを賭して本塁に進んでもよい」

 グラブがフェアボールに触れたときは、打者は3個の塁が与えられますが(記録上は三塁打=規則10.06e参照)、当たらなければペナルティはなしです。当たった場合、その前に投手のグラブに触れていたことは関係がありません。7.05(c)の[注]として「ここにいうフェアボールとは、野手がすでに触れていたかどうかを問わない」とあります。

 野手が打球にグラブを投げ当てるプレーはめったにありませんが、08年5月4日のロッテ- 西武戦(千葉マリン)でありました。

 5回表に西武の先頭打者の栗山巧が打った一、二塁間のゴロを、ロッテのホセ・オーティズ二塁手がグラブを投げ当てて止めてしまったのです。次の石井義人の中犠飛でロッテは1点を失ったのですから、ロッテにとっては手痛いオーティズのプレーでした。

 メジャーでも97年8月20日にヤンキースの伊良部秀輝投手がエンゼルス戦で、相手打者のセーフティバントの処理を失敗。転がるボールにグラブを投げつけて止めようとしましたが、ボールに当たらなかったので、ペナルティなしに終わったことがあります。

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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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