一死走者一、二塁で打者が左中間に大きな飛球を打ちました。二塁走者は二・三塁間で様子をうかがい、一塁走者が二塁を少し回ったところで左翼手が捕球したので、二塁走者はもといた二塁へ、一塁走者はその時にいた位置から一直線に一塁へと戻りました。ここで守備側の二塁手が左翼手から返球を受け、二塁ベースを踏んでアピールすると、その塁審は一塁走者に対してアウトの宣告です。どうしてでしょうか。 一塁走者の二塁ベース空過が考えられます。今年の8月6日の
巨人-
中日戦[東京ドーム]でも同様のプレーがありました。9回一死一、二塁で、代走で出場した一塁走者の巨人・
重信慎之介選手が、
坂本勇人選手の中飛で二、三塁間まで進み、捕球を確認すると、一塁に帰塁する際に二塁ベースを空過し、アウトとなったプレーは記憶に新しいと思います。
走者の進塁について定めた野球規則5.06の(b)(1)に次のように記されています。
「走者は進塁するにあたり、一塁、二塁、三塁、本塁の順序に従って、各塁に触れなければならない。逆走しなければならないときも、(中略)すべての塁を逆の順序で、再度触れていかなければならない」 ボールデッドの際はこの限りではありません。
なお、ここで言う“逆走しなければならないとき”というのは【注2】に
「[1]フライが飛んでいるうちに次塁へ進んだ走者が、捕球されたのを見て帰塁しようとする場合。[2]塁を空過した走者が、その塁を踏み直す場合。[3]自分よりも前位の走者に先んじるおそれがある場合」 と記されています。質問のケースも、重信選手のケースもこの[1]に該当したわけです。なお、守備側にとってはアピールプレーですので、両ケースとも選手がよく見ていたと言えます。[文責=編集部]