2018年5月8日に行われた西武対ソフトバンク(大宮)のスコアレスで迎えた6回裏、二死満塁の場面で打席に立った西武の森友哉選手が、2ボール2ストライクから、ソフトバンク先発・千賀滉大選手が投じた5球目のフォークボールを空振りしました。捕手の甲斐拓也選手がこれをワンバウンドでミットに収めたのを見た森選手は、一塁に向かって走り出しましたが、振り逃げの条件とは何ですか。 まず始めに、公認野球規則には“振り逃げ”という用語の記載はなく、これは俗称であることを覚えておいてください。これを踏まえた上で、そもそも振り逃げとは、打者がストライクを3度宣告されて三振が記録されたものの、第3ストライクにあたる投球を捕手が正規の捕球を果たせなかった場合には、打者は一塁への進塁を試みることができ、これを一般的に“振り逃げ”と呼んでいます。
打者が走者となる場合について定めた野球規則5.05(a)(2)に“振り逃げ”が可能な条件について
「(A)走者が一塁にいないとき、(B)走者が一塁にいても2アウトのとき、捕手が第3ストライクと宣告された投球を捕らえなかった場合」とあります。
また【原注】に
「第3ストライクと宣告されただけで、まだアウトになっていない打者が、気がつかずに、一塁に向かおうとしなかった場合、その打者は“ホームプレートを囲む土の部分”を出たらただちにアウトが宣告される」と記載があります。
問のケースでは二死満塁で空振り→ワンバウンド捕球だったため、正規の捕球とはなっておらず、森選手は一塁へ走り出しましたが、捕手の甲斐選手は落ち着いていて、ボールを保持したまま目の前のホームベースに触塁し、三塁走者をアウトにしました。[文責=編集部]