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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

来シーズンより日本のプロ野球では「出場選手登録」の人数を1人増の29選手に拡大。1人増でどんなことができるようになる?

 

日本野球機構(NPB)の協約・ドラフト改定委員会が12月10日に開かれ、一軍公式戦に出場できる「出場選手登録」の人数を、1人増やして29選手に拡大する野球協約の改定が行われるというニュースを目にしました。登録人数がたった1人増えるだけですが、どんなことが可能になるのですか?

 今回の施策について、NPBの井原敦事務局長は「選手の出場機会を具体的に増やすという施策はなかなかない中で、29人にするという案が出てきました。前回の実行委員会で承認されているので、2019年シーズンから施行します」と説明しています。ちなみに、プロ野球選手会の了解も得ており、今後は来年1月のプロ野球実行委員会での正式決定を経て、19年シーズンから実施されることになるようです。しかし、ベンチ入りの25人については1増とはなりませんので、誤解のないように。

 一軍の公式戦に出場できる出場選手登録を抹消された場合、再び登録が可能となるまでに10日間が必要です。ただし、ベンチ入り人数(25人)は変わらなくても一軍枠が広がれば、登録を抹消せずに柔軟な選手起用が可能となります。それぞれチームの事情は異なりますが、先発ローテーションに不安のあるチーム(例えば枚数が足りないなど)はリリーフ投手を増員することもあるでしょうし、一方で野手の強化に充てるチームもあるでしょう。

 今季レイズで行われているように、初回の攻防を重視し、ショートイニングで力を発揮するリリーバーを先発に立て(※あるいは一〜三番に左バッターが並ぶ場合、リリーフの左ピッチャーを立てるなど)、相手上位打線を抑えて2回から本来の先発を立てる作戦(このときの先発ピッチャーはスターターではなくオープナーと呼ぶ)や、リリーフピッチャーの継投で9回を乗り切る“ブルペンデー”が日本でも見られるようになるかもしれません。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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