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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

無死走者一、二塁で打者はショートフライ。審判員が「インフィールドフライ」を宣告も、離塁中の二塁走者に打球が直撃。どうなる?

 

無死ランナー一、二塁で、打席に立った打者は、ショート上空にフライを打ち上げました。審判員は「インフィールドフライ」を宣告しましたが、打球から目を切ってしまっていた二塁走者は、二塁ベースを少し離れたところでウロウロ。このフライにダイレクトで当たりました。この場合の判定はどうなりますか?

 前回の1月28日号でもライナー性の当たりが二塁走者に当たった場合について取り上げましたが、実は今回のケースでも同じ規則が適用されることとなります。

 “走者アウト”について触れた野球規則5.09(b)(7)には「走者が、内野手(投手を含む)に触れていないか、または内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールに、フェア地域で触れた場合」アウトになると定められています。前回はこの条文と、その後のボールデッドになったあとのほかの走者の扱いについて、5.09(b)(7)の続きを用いて説明しましたが、実はこの条文には前回紹介しなかった続きがあり、そこには次のように記されています。

「インフィールドフライと宣告された打球が、塁を離れている走者に触れたときは、打者、走者ともにアウトになる」

 インフィールドフライが宣告され、フェア地域に落下(この場合は二塁走者に接触)した時点で打者アウトになるのは、5.09(a)(5)に「インフィールドフライが宣告された場合」に打者アウトになると定められているので、分かりやすいですが、このようにインフィールドフライを宣告された打球でも、相手の内野手の守備機会が残された状態でダイレクトに打球に触れた場合、走者はアウトとなるのです。

 ですから、このケースでは打者、二塁走者ともにアウトが宣告され、二死一塁からゲーム再開となります。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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