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伊原春樹コラム

勝負の行方を左右する場面、代打で登場した打者への初球は繊細にならないといけない

 

 まさか、初球にストレートなんか投げないだろうな……と思った瞬間だった。マウンド上の南昌輝の右腕から投じられた1球は、その“まさか”。真ん中内寄りへストレートがスーッと入っていった。

 6月25日の西武ロッテ[西武プリンス]。追いつ追われつの展開で、9対9の同点で試合は延長戦へ。10回裏二死満塁と西武がサヨナラのチャンスで打席には永江恭平の代打で坂田遼。この場面で冒頭のとおり、南が坂田に対して初球にストレートを選択すると、背番号88はそれを見事にたたき、ライトへのサヨナラ打とした。

初球のストレートをたたき、サヨナラ打とした坂田/写真=桜井ひとし


 勝負の行方を左右する場面、代打で登場した打者は初球から振ってくる確率が高い。なので、より繊細なピッチングが求められるのだが、この日のロッテバッテリー(田村龍弘-南)にはまったくそれが感じられなかった。ましてや坂田はストレートにめっぽう強い打者だ。試合後の南のコメントを見てみると、「思い切り腕を振ったんですけど……」というような内容。試合が緊迫してくると、ほとんど配球は捕手任せになってしまう。だから、より捕手が初球に対してケアしなければいけないのだが・・・

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伊原春樹の野球の真髄

伊原春樹の野球の真髄

座右の銘は野球道。野球評論家として存在感を放つ伊原春樹の連載コラム。

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