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伊原春樹コラム

ベンチでは熱く、グラウンドでは冷静に。心技体で完全無欠の高みに達する“二刀流”大谷翔平

 

二刀流の本領を発揮して、日本シリーズ進出に貢献した大谷/写真=高原由佳


 心技体、高いレベルでこの3要素がそろっていることを見せつけられた。ソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ。10月12日の初戦[札幌ドーム]、「八番・投手」でスタメン出場した大谷翔平(日本ハム)。シーズンで7戦7勝だったDH解除は、ポストシーズンで史上初の出来事だったが背番号11は投打で躍動した。

 投げては最速162キロの快速球を軸に7回1安打無失点でチームの勝利に貢献した(6対0)。その好投の要因となった一つは力みのない投球フォームだろう。リーグ優勝を決めた西武戦(9月28日、西武プリンス)も9回1安打15奪三振の完封劇と見事なピッチングだったが、そのときよりもリラックスした形でボールを投じていた。だから、ボールが暴れることがまったくない。それが、課題の立ち上がりから安定感を発揮する要因となった。

 4回表一死から甘く入ったスライダーを内川聖一に左翼線への二塁打とされた。この試合初の、そして唯一の安打となり、さらに二死後、松田宣浩に再びスライダーを芯でとらえられた(結果は中飛)。すると、それまでスライダーが多めだった配球を、フォーク中心に切り替えていく・・・

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伊原春樹の野球の真髄

伊原春樹の野球の真髄

座右の銘は野球道。野球評論家として存在感を放つ伊原春樹の連載コラム。

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