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本誌編集長コラム

プロの荒波

 

 ドラフト会議の前日、赤田将吾日本ハム退団が発表された。1999年ドラフト2位で西武に入団した赤田。同1位は松坂大輔だ。

 いわゆる松坂世代の一員であった赤田は日南学園高3年時、夏の甲子園にも出場した強打の右打ちの内野手だった。しかし、15年後の現在は両打ちの外野手。ケガなどもあり、プロで生き残るために守備位置を変更し、スイッチにも挑戦した。

 西武でも優勝にも貢献し、選手会長も務めた中心選手だったが、2010年のキャンプ中にオリックスへトレード。さらに、13年キャンプ直前に糸井嘉男八木智哉も含む)との電撃トレードで木佐貫洋大引啓次とともに日本ハムのユニフォームを着ることになった。

 赤田の野球人を見ていると何度も荒波が襲い掛かってくるプロで、ユニフォームを着続けることの難しさを端的に表していると思う。

 今年も育成を含めて、104人の選手がドラフト指名された。ただ、よく言われるようにここがゴールではない。高い壁が待ち受けているかもしれないが、それを乗り越える強い精神力を発揮し、一人でも多くの選手が明日のプロ野球を担う人材へと成長を果たしてもらいたいと思う。

 赤田は結局、現役をあきらめ、古巣である西武の二軍育成コーチを務めることになった。田邊徳雄監督も「彼のさまざまな経験を若手に伝えてほしい」と期待する。若獅子のレベルアップが来季、チームが飛躍るためのカギとなるだけに、赤田新コーチの手腕によって、どれだけ選手が伸びてくるか楽しみだ。(編集長・小林)
野球の風

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週刊ベースボール編集長の編集後記。球界の動きや選手に対して編集長が思いをつづる。

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