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本誌編集長コラム

ベテラン左腕の未来は?

 

「不確かな未来のことを考えるより、自分がやらなければいけない練習に精を出して、新しいシーズンに向けてベストな状態に作り上げていこうと考えていましたね」

 2009年オフ、“失職”の危機にあった藤井秀悟(前DeNA)の言葉だ。同年、日本ハムから国内FA宣言した藤井。しかし、オファーを出す球団がなかなか現れず。07年にFAでの国内移籍に限りそれまでの9年から1年短縮され、8年で取得できることになった。このとき野球協約に、国内FAの選手はNPBの12球団以外へ移籍できないルールが盛り込まれた。つまり、メジャー・リーグを含めて韓国、台湾などに移籍できないということだ。それは海外FA権を取得していなくても、メジャー挑戦が1年早く可能になる抜け道を防ぐためだった。

 このときは巨人が獲得に名乗りを挙げ、無事にユニフォームを着ることができた藤井。しかし、今回は状況が厳しい。11月20日、第2回トライアウトを受けて、「まだ野球がやりたい」と悲痛な叫び声。独立リーグから誘いもあったが、NPBにこだわっているという。不確かな未来が眼前に覆う。果たして、83勝左腕の未来は――。
野球の風

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週刊ベースボール編集長の編集後記。球界の動きや選手に対して編集長が思いをつづる。

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