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本誌編集長コラム

トラを凌駕する力

 

 球界の流れが変わる音が聞こえてきた、と言ったら大袈裟か。中島裕之オリックスへの入団を選んだ。古巣・西武へは断りの連絡を入れ、果たして阪神中日、オリックスのどこを選ぶのか。失礼ながら以前だったら、オリックスは除外されていたのではないか。同じ関西圏で圧倒的な人気を誇る阪神が手を挙げている。関西でプレーするなら阪神の方がステータスは上だったのは間違いない。「優勝するために来た」と中島が入団会見で語っていたように、今年2位に躍進したオリックスの力になりたいという純粋な思いもあるのだろう。はた目から見てもチームが変わりつつように見えるし、1996年以来の優勝へ向けて機が熟してきているように感じる。

 ただ、ひと昔前なら同じような状況だと、阪神のブランド力になびく選手は多かったように思う。トラの威光が薄れてきたのか、選手の意識が変わったのか。FA宣言していたエース・金子千尋も残留が濃厚と見られている。その他の補強にも積極的なオリックス。来年、熱い戦いを見せて野球ファンを沸かせ、悲願の優勝を遂げれば、阪神一極集中の関西野球圏に風穴を開けるかもしれない。
野球の風

野球の風

週刊ベースボール編集長の編集後記。球界の動きや選手に対して編集長が思いをつづる。

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