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本誌編集長コラム

バースがもたらした一体感

 

 1985年、日本一に輝いた阪神において爆発的な力を発揮したバースとゲイルの両外国人。バースは三冠王を獲得し、ゲイルは33試合に先発して13勝をマークした。チームをけん引した彼らが好結果を残せたのも、吉田義男監督が“放任主義”を貫いたからだ。評論家時代、毎年のように自費でメジャー・リーグを視察していた吉田監督は、その経験からメジャーのやり方同様、外国人には自己管理をさせた方がベターだとの考えがあった。

「本当にいい監督だ。移動日の練習はマイペースに任せてくれる。試合のときは、どんなに調子が悪くても最後までチャンスをくれた」とは当時のバースの弁。意気にも感じたのだろう。7月下旬、自打球を当てて右足甲をハク離骨折した、復帰まで2週間はかかると思われたが、わずか5日間で戦列へ。右足甲にはプロテクターを当てて、復帰のヤクルト戦でいきなり2安打をマークした。

 当然、ベンチは盛り上がり、一体感は増した。バースは単なる助っ人ではなく、立派な阪神の一員だった。目に見える数字だけでなく、こういった部分でもバースはチームに貢献していたのだ。
野球の風

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週刊ベースボール編集長の編集後記。球界の動きや選手に対して編集長が思いをつづる。

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