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自民党の日本経済再生本部が打ち出したプロ野球16球団論は、すでに言われてきたこと
打ち出した方もケチをつける方も具体性なし

 

昨年大改装になった静岡草薙球場。静岡県はプロ野球最適地と言われるが……


 自民党の日本経済再生本部から出てきたプロ野球16球団論は、何にでも顔を突っ込む安倍サンの党らしい発想だが、実は16球団論は、かなり以前からプロ野球OBの間では論じられてきたものなのだ。

 04年の、いわゆる“球界再編騒動”のとき、江本孟紀氏は、「縮小再生産よりは、むしろ16球団に増やして打って出よ!」と球界の内向き指向を批判していた。また、豊田泰光氏はそれより数年前に、16球団にして、かつ、両リーグを東西両リーグに改編せよ、という提案をしている。名古屋を境にして東リーグと西リーグ、8球団ずつのプロ野球にする。これには、関ヶ原以来の「東西対決」の構図が、日本人の血を最もわき立たせる、という豊田氏の考えがあった。しかし、東西対決も固定化してマンネリになるとファンが離れていきそうだから、両リーグの交流試合を組み込む。さらに試合数を154試合に増やし、2シーズン制を復活させる。前後期77試合ずつなら、かつてパ・リーグが失敗した(65試合ずつでは、V争いが“行ったきり”になりがち)轍は踏まないだろう。かつ、前後期合わせた勝率が前後期優勝チームのどちらかのそれを上回る(両方を上回るかもしれない)チームにはワイルドカードを与える。そうすれば、消化試合も減るだろう。

 自民党がここまで具体的に提示してくれればインパクトが違ったのだろうが、いまのところ、各界の反応は鈍いようだ・・・

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岡江昇三郎のWEEKLY COLUMN

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プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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