学生時代、仕送りだけで何とかなったのだが、早慶戦でのバカ騒ぎ用にカネが必要になったときと、夏休み、春休みの帰省用の交通費を作るためにアルバイトをやった。バイトの中で一番割がよかったのが、春休みの帰省用の交通費を作るための、入学試験の試験監督補助だった。ほかのバイトよりかなり高かったし、4時前には終わる。しかも、昼食の弁当も出る。これを4〜5学部やると結構な実入りになった。
仕事は、試験問題を配ったら監督の教員のそばに立っているだけ。試験開始前の受験生の写真照合がちょっと手間だったが、これはこれで面白い。1度だけ、どう見ても写真とは似ても似つかぬ受験生にぶつかったことがあったが、見逃してやった。
語学用の小さな教室だと受験生は40人ぐらい。当時の各学部の実質競争率は10倍前後だから、40人の教室だと4〜5人しか合格しない計算になる。「この前に座ってる4人しか受からねえのか。あとは、ハイ、ご苦労さんか。やっぱし、大学入試というのは残酷物語だよな」ともう1人の監督補助員に小声で話しかけると「まあ、点数でハッキリする10倍だからいいじゃないか。世の中は、どうして落とされたのか分からんという10倍だらけだぜ」とワケ知りな返事が返ってきた。
さて、プロ野球の世界は、点数でハッキリする世界だろうか、それともワケ知りの言う理不尽な世界だろうか。プロ野球は・・・
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