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岡江昇三郎

「捨てる神あれば拾う神あり」なのだが、プロ野球は、一歩進んで「助ける神」になってほしい。選手に最後の思い出を!

 

「捨てる神あれば拾う神あり」という表現があるが、便利なのか、よく使われる。読売新聞の編集手帳氏も、1月21日付のコラムで「『捨てる神あれば拾う神あり』と言い習わしてきた国である云々」と日本人の宗教に対する寛容さを、この表現に託していた。

 ところで、かなり前になるが、ある国語学者が「これは、正しくは『拾う神』ではなく『助ける神』である」と、どこかで書いていたのを読んだ記憶がある。その根拠は、忘れてしまったが、そう言われると、「助ける」の方が、何だか日本人にはジャスト・フィットのような気がしてきた。字面とリズムでは「捨てる拾う」と対になった方が、ピタリとくる感じだが、意味からすると「助ける」の方がシックリくる。一神教の厳しい神なら「拾ってやったのだ。罪を恐れ、神を畏れよ!」てな調子でいいのだが、八百万の神々の国の神様は、ただ拾うだけでなく「世の中をうらむんじゃないよ。私が助けてあげるから。もう1度やり直そうね」とやさしく語りかけてくれそうだ。手元の岩波書店の『広辞苑』(第四版)には「捨てる」の項に「捨てる神あれば拾う神あり」の用例を載せているから、これが正しいのだろうが、筆者には「助ける」も捨てがたい。

 さて、プロ野球の「捨てる神」は容赦ない・・・

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プロ野球観戦歴44年のベースボールライター・岡江昇三郎の連載コラム。

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