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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「投手の育成」

 

マー君について後悔しているのは2年目にスピード重視を認めたこと


 田中将大(ヤンキース)が7月上旬、右ヒジ痛で故障者リスト(DL)入り。ぼちぼちキャッチボールを再開し、8月中の復帰を目指してリハビリを行っていくようだ。

 やはりメジャーの中4日登板には慣れていなかったということだろう。しかし、ピッチャーはいつかヒジ、肩を壊す。誰もが通る道だと思う。

 田中が楽天に入団したときは、まだ18歳。長い将来のある子どもだから、無理をさせるのだけはやめようと考えた。だから中5日、6日きっちり休ませた。ただし、練習は別だ。基礎-基本-応用というステップを踏んでいく上で、18歳、19歳は体作りもフォーム作りも、すべて基礎の段階にある。だからしっかり走らせ、しっかり足腰を鍛えさせる。そのとき、“故障しないように”などという消極的なことは考えない。この時期は、体を鍛えるしかないからだ。どんなに体を作っても、故障をするときはするものだ。

 しかし田中について、一つだけ後悔していることがある。2年目のシーズンを迎えたとき、彼に「今年の目標、課題はなんだ?」と聞いた。すると、田中は「ストレートで空振りの三振が取れるピッチングをしたい」と答えた。

「ああ、いいんじゃないか」

 まだ19歳。そんなピッチングも可能だろうな、と私は賛成した。が、それは間違いだった・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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