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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「梨田監督&オコエ」

 

基礎作りの段階にあるオコエ、バントも二軍で練習せよ


 楽天のルーキー・オコエ瑠偉が4月14日、二軍降格となった。私はこれでいいと思う。2月1日のキャンプインから一軍に帯同させたのは、“まず一軍でやらせてみて、それから指導”というプロセスを考えてのことだろう。それには私も賛成だった。

 しかし、いかんせん試合出場機会が少な過ぎた。スタメンは「二番・センター」でプロ入り初の先発出場となった、4月3日の西武戦(Koboスタ宮城)のみ。8回に代打を出され、ベンチに下がった。

 オコエの守備や足は、すでに一軍合格レベルだろう。課題はプロ入り前から指摘されていた、バッティング。一軍、二軍の試合がそろって仙台で行われる“親子ゲーム”のときは、二軍戦に出場してからコボスタに向かったそうだが、それでもまだ打席数が少な過ぎた。結局一軍では11試合に出場し、7打数ノーヒットだった。

 こんな使い方をするぐらいなら、いっそ二軍に落として、ずっと試合に出したほうがいいと思っていた。選手を一番成長させるのは、なんといっても試合経験。まだ若いオコエを、急がせることはない。彼が踏むべきステップは基礎、基本、応用。今は基礎作りの段階なのだから、二軍でそれを教えていけばよいではないか。

結局、一軍では7打数ノーヒットだったオコエ。二軍で経験を積んだほうがいい/写真=大賀章好


 西武戦で代打を出されたのは、8回無死一塁の場面。オコエに代わった福田将儀が送りバントを決めた。オコエは高校時代、一番バッターでバントをした経験がほとんどなかったという。これこそ二軍で学ぶべき基礎中の基礎。一軍では許されない失敗も、二軍でならば許される。バントが苦手なら、できるようになるまで二軍でいくらでもやらせればいい。かくいう私も、プロ入り後の3年間は、ほぼ二軍暮らしだった。しかし、二軍に3年いてよかったと思う。なぜなら・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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