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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「監督のプロ意識」

 

独走チームは短期決戦で倒せ


 セ・リーグ、パ・リーグともに首位チームが独走。2位以下は大きく離されてしまった。

 こんな状況において、2位以下の監督は何をすべきか。私はこう考える。クライマックスシリーズ(CS)制度のある今、無理やり1位になる必要もないではないか。まずはAクラスに入り、CSへ進出。最終的に日本シリーズで勝てばいい。2010年のロッテのように、ペナントレースは3位でCS、日本シリーズを勝ち進み、“下克上”の日本一というシナリオだ。もっとも、私はこのCSとヘンテコな“下克上”の日本一に、物申している側であるのだが。

 5試合前後の短期決戦と143試合のペナントレースとでは、戦い方がまったく違う。戦術次第では、巨大戦力を倒す目も十分ある。以前も書いたと思うが、われわれの時代、パ・リーグは前後期制を敷いた時期があった。その導入初年度となった1973年、南海は前期1位、後期3位でシーズンを終えた。

 プレーオフは5試合制。3試合を取ったチームの勝ちになる。相手は後期優勝の阪急。われわれは後期、阪急に1分12敗とまったく歯が立たなかった。そこまで力の差がある場合、短期決戦で全試合勝ちにいったらすべて負けてしまう。投打にわたってかなわないのだから、当然だ。周囲の予想も、「南海は一つ勝てばいいほうだろう」であった。チームも選手も、勝てないと思っている。しかし、野球は意外性のスポーツ。やってみなければ分からない。それを選手たちにどう伝えるか・・・

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野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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