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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「シーズン後」

 

好成績を残してホッとした年ほど危険


野球の勉強のためにシーズン後、1971年のパイレーツ対オリオールズのワールド・シリーズを見に行ったこともある/写真=Getty Images


 秋季キャンプもたけなわ。あちこちから来季に向けフレッシュな話題が飛び込んでくる。

 シーズンが終わってホッとするのは、いい成績を残したときだけだ。しかしホッとする一方で、そういう年ほど危険なもの。成績が悪かったときは、「チクショウ、来年は頑張るぞ」という思いがあるからいい。好成績を挙げた年ほど、私がよく言う「妥協、限定、満足」の心境に陥りがちなのだ。この3つは絶対、禁物である。

 シーズンが終わったら、すべてが終わる。そして新しい年を迎えるにあたって、まさに新人と同じ気持ちになれるかどうか。一からやり直せるかどうかが、その後を分ける。

 監督としてみれば、秋季キャンプは嫌なものだ。せっかく猛練習をしても、次に待っているのはシーズンオフである。ただ、表向き(?)にはそう言うものの、選手時代の私が秋季キャンプで芽を出したのも、また事実。プロ入り2年目、私は一度も一軍の試合に出場することなく、シーズンを終えた。意を決して臨んだ秋季練習。そこで私はバッティングの“コツ”をつかんだのだ・・・

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野村克也の本格野球論

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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