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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「捕手教育」

 

18〜22歳の間に、プロで本物の野球を知るべきだ


 シーズン中から巨人・小林(小林誠司)のキャッチングを見て、気になる点があった。ピッチャーの球を受ける際、コースに寄るのが早いのだ。あれではバッターに見られてしまうのではないかと、いつもハラハラしていた。

 日ごろ「固定観念は悪」と言いながら、私には「ピッチャーとキャッチャーは、高卒でプロ入りすべし」「大卒キャッチャーは育成が難しい」という固定して動かせぬ持論がある。というのも、ちょうど大学在学期間にあたる18歳〜22歳が、最も野球を覚える時期、野球を勉強できる時期だからだ。そこで間違った知識を身につけてしまっては、もったいない。この基礎作りの段階で、それこそ“本物の野球”に出合えるかどうかが、プロのキャッチャーとして、その後の成長を分けるのだ。

 野球は状況判断のスポーツであるがゆえ、判断力が大切だ。1投1打で、戦況が移りゆく中、1球ごとに状況判断ができるか否か。見えないものを見るのが“本物の野球”であり、キャッチャーの仕事。野球の“三力”(観察、洞察、判断)を使い、相手の性格や心理を読んでいく。

 このほどソフトバンクから楽天に移籍した細川亨は今私の見る限り、最もキャッチャーらしい配球をする選手である。つまり・・・

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野村克也の本格野球論

野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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