カウント3-0からの配球で正捕手に失望
開幕戦といえば、1990年、
ヤクルト監督就任1年目のことを思い出す。
前年秋のドラフト2位で、トヨタ自動車・
古田敦也を獲得。社会人出とはいえ、アマチュア出身のキャッチャーを即一軍では使えない。古田にも「最低1カ月は勉強せえ」「試合中、ブルペンなんか行かんでいいから、俺のそばにおれ」「俺のつぶやきを聞いていろ」と申し渡した。
当時正捕手としてマスクをかぶっていたのが、プロ入り6年目の
秦真司。ところが、私は彼のリードに1カ月はおろか、たった1週間も我慢ならなかった。秦を見ていて、前任者の関根(
関根潤三)さんはすごい監督だなと思った。「よくこんなキャッチャーでやってきたなあ」というのが、私の正直な感想だった。おそらく、選手にすべて任せる方針だったのだろう。
実際、私はすでにこの年の開幕戦(対
巨人)、秦に失望していた。ある打席、カウント3ボール0ストライクになったところで、彼はピッチャーにカーブを要求した。結果から言うと、そのカーブはボール球となり、これを見送ったバッターはあっさり四球で一塁へ出た。
今どきファンの皆さんも、少しでも野球を知っている人なら、ここは100%、バッターが「待て」で来ると考えるはずだ。それなら配球は、カウントを取るためのストレートでいい。そこでなぜ、わざわざカーブを投げさせるのか。私には理解できず、ベンチに戻ってきた秦に「なんでカーブを投げさせたんや」と聞いた。すると答えは・・・
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