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野村克也の本格野球論

野村克也が語る「一・二番コンビ」

 

V9巨人で一、二番コンビを組んだ柴田[右]と土井/写真=BBM


いい二番打者のいるチームは強くなる


 今週号の巻頭特集は「一、二番コンビ」だと、編集者から聞いている。

 理想の一、二番コンビとして真っ先に頭に浮かんだのは、やはり一番・柴田勲、二番・土井正三に代表されるV9巨人のメンバーである。五番バッターはなかなか固定しなかったが、一番から九番まで適材適所、まさに理想のオーダーだった。

 一番バッターは出塁率が高く、盗塁もできる選手。二番には進んで自己犠牲の払える選手が求められる。例えば前述のV9コンビなら、柴田は俊足好打であったし、土井はバントやヒットエンドランといった小技に長け、追い込まれても右に左に打ち分けることができた。私の持論は、『二番重要説』である。二番に適したバッターがいると、チームは強くなる。

 一番から九番までの打順には、それぞれ条件がある。自由に打っていいのは三番、四番、五番。しかしクリーンアップを打っているバッターでも9回、自軍がリードされた状況で先頭バッターとして打席に入れば、一番バッターの役割を全うしなければならない。チームの誰もが状況によっては、“ワキ役”に回る。それが自らできるか否かは、日ごろの教育次第だろう。

 それなのに昨今スタジアムで見受けられる光景といったら・・・

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勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

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