週刊ベースボールONLINE

野村克也の本格野球論

野村克也が語る「西本幸雄&上田利治」

 

阪急、オリックス日本ハムで監督を務め、通算1322勝をマークした上田利治/写真=BBM


顔だけで年上と思い、敬語を使っていた


 7月に入って間もなく、上田利治の訃報が飛び込んできた。広島、阪急(オリックス)、日本ハムでコーチ、監督を歴任。1999年に日本ハムの監督を辞してからは、関西方面で解説者活動をしていたそうだ。東京住まいの私は昨今、名前を見聞きする機会もほとんどなく、どうしているのだろうと思っていたものだ。

 上田は徳島・海南高校時代から、捕手としてマスクをかぶった。関西大学では、のちに阪神入りする村山実とバッテリーを組み、関西六大学リーグで4度の優勝。関大法学部に一般入試で上位合格した秀才だったと聞く。広島カープに入団したが、実働3年で現役生活を終え、翌62年、二軍コーチに就任。このときまだ25歳だった。

 私はパ・リーグの南海、彼はセ・リーグの広島で現役生活を送ったため、選手としてはまったく対戦していない。上田との接点は彼が71年、阪急のヘッドコーチに就いて以降のものだ。当時の阪急監督は、西本幸雄さん。「将来良い指導者になるため、勉強したい」と、自ら進んで西本さんの門を叩いたそうだ。

 実のところ、私はそれを聞いたとき・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

野村克也の本格野球論

野村克也の本格野球論

勝負と人間洞察に長けた名将・野村克也の連載コラム。独自の視点から球界への提言を語る。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング