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2017タイトルホルダーインタビュー

ソフトバンク・甲斐拓也インタビュー 信頼を、捕む 「すべてをレベルアップできるように上を目指してやっていかないといけない」

 

長所を磨いてがむしゃらにアピールし続け、育成出身選手としては初となるベストナイン&ゴールデン・グラブ賞の2冠に輝いた甲斐拓也。絶対的な扇の要へ──。小さな強肩捕手のたゆまぬ努力がいま、身を結びつつある。
取材・構成=菊池仁志、菅原梨恵、写真=湯浅芳昭、BBM


自信となった守備、課題の打撃


──2017年は初めて一軍でシーズンを完走。103試合に出場し、捕手部門でベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を受賞されました。

甲斐 率直にうれしいですね。その気持ちが一番にあります。ただ、この賞に関しては僕一人の力で獲れたものではありません。起用してくださった工藤(工藤公康)監督に感謝の気持ちでいっぱいですし、コーチの方々の力をたくさんお借りしました。

──守備への思いは強いでしょうから、ゴールデン・グラブ賞は特別な思いでしょう。

甲斐 そうですね。光栄に思います。僕自身、まだ目標にできるようなレベルでもなかったので、受賞は本当に思いもよらないものでした。実際にいただいて、守備にこだわる者としてすごくうれしい思いでしたね。

──クローズアップされる強肩もさることながら、守備率.999は守備規定に達したパ・リーグ捕手の中ではトップ。捕逸は3ありましたが、体を懸命に張って投球を後ろに逸らさない姿勢を見せ続けました。

甲斐 そうしたところまで評価していただいているのだとしたら、すごくうれしいことですね。肩は自分にとってはプロでやっていく上での大きな武器です。でもブロッキングは捕手として最低限にやらなければならない役割。「絶対に後ろに逸らさない」っていう気持ちでやっています。練習から形をつくって、気持ちを入れてやっている部分です。体のどこに当ててでも前で止める気持ちでいます。盗塁を刺すことは大事ですけど、後ろに逸らさないことは捕手として大前提にやらなければならないことです。

──ブロッキングのポイントを一つ挙げるとすれば?

甲斐 単純な話ですけど、最後までボールを見続けることです。ワンバウンドしても、バウンドした先を目でしっかりと見て動くこと。最後まで目を見開いておくイメージです。目をつぶってしまってボールを見失ったら感覚でしか動けません。実際には目をつぶらないことは難しいんですけど、つぶったとしても一瞬にとどめて、予測で動くのではなく見て動くことが大事です。

──「お化けフォーク」と呼ばれる武器を持つ、千賀滉大投手とのコンビでは特に大事な部分になるのでは。

甲斐 難しいですよ、アイツのフォークは。僕ももちろん初めてですけど、あんな球は・・・

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