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惜別球人2017

江草仁貴 引退惜別インタビュー みんなに支えられながら 「15年間もプレーできた。中継ぎで幸せだった」

 

「自分のことを『すごいピッチャーだな』と感じたことは一度もない」強力リリーフ陣の一角として入団3年目にはリーグVを経験。タフなサウスポーとして知られたが、「周りと一緒だから乗っていけた」と口にする。多くの人とともに歩んだ15年間の現役生活を振り返る。
取材・構成=吉見淳司、写真=前島進、BBM


引退マウンドでウルウル


誰からも好かれるその人柄をうかがわせる光景だった。古巣との対戦となった引退試合。広島だけでなく阪神の選手たちからも胴上げされ、甲子園のファンからは声援を受けた。

──引退して迎える新年はいかがですか。

江草 体のことに気を使わなくていいと思うと、「本当にやめたんだな」と感じますね。ほかの人に話を聞くと「体を動かしたくなるよ」とは言われるんですけど、まだそうはなっていないですね。この時期はキャンプに向けて体を作っていたので、12月、1月にゆっくり過ごしているのが何だか不思議な気がします。

──昨年9月27日、ファームでの阪神戦[甲子園]で、同じく現役引退を表明していた阪神の狩野(狩野恵輔)さんと1打席勝負で引退登板を飾りました。全球ストレートで、左翼線への二塁打という結果でした。

江草 全部ストレートでいくというのは最初から決めていました。全力を出し切りましたね。

──8回無死からの登板で、狩野さんの最後の打席になる可能性もありました。「打たせよう」という気持ちはありましたか。

江草 正直、ちょっと考えました。それまでが・・・

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惜別球人

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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