「自分のことを『すごいピッチャーだな』と感じたことは一度もない」強力リリーフ陣の一角として入団3年目にはリーグVを経験。タフなサウスポーとして知られたが、「周りと一緒だから乗っていけた」と口にする。多くの人とともに歩んだ15年間の現役生活を振り返る。 取材・構成=吉見淳司、写真=前島進、BBM 引退マウンドでウルウル
誰からも好かれるその人柄をうかがわせる光景だった。古巣との対戦となった引退試合。広島だけでなく阪神の選手たちからも胴上げされ、甲子園のファンからは声援を受けた。 ──引退して迎える新年はいかがですか。
江草 体のことに気を使わなくていいと思うと、「本当にやめたんだな」と感じますね。ほかの人に話を聞くと「体を動かしたくなるよ」とは言われるんですけど、まだそうはなっていないですね。この時期はキャンプに向けて体を作っていたので、12月、1月にゆっくり過ごしているのが何だか不思議な気がします。
──昨年9月27日、ファームでの阪神戦[甲子園]で、同じく現役引退を表明していた阪神の狩野(
狩野恵輔)さんと1打席勝負で引退登板を飾りました。全球ストレートで、左翼線への二塁打という結果でした。
江草 全部ストレートでいくというのは最初から決めていました。全力を出し切りましたね。
──8回無死からの登板で、狩野さんの最後の打席になる可能性もありました。「打たせよう」という気持ちはありましたか。
江草 正直、ちょっと考えました。それまでが・・・
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