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惜別球人2018

岡田幸文引退惜別インタビュー 守備職人の矜持「攻めの気持ちを持って守らないと捕れるものも捕れない」

 

また一人、2010年の日本一戦士がユニフォームを脱いだ。広大な守備範囲を誇る外野守備は“エリア66”と称された生粋の守備職人。育成からはい上がった反骨の男は、ロッテでの10年間を感謝の言葉とともに振り返った。
取材・構成=杉浦多夢 写真=桜井ひとし(インタビュー)、榎本郁也、BBM


まずは塁に出ること


 10月8日のZOZOマリンに“岡田コール”がこだました。岡田幸文は引退試合で野手としてワーストとなる59打席連続無安打を記録してしまったものの、直後に約2年ぶりとなる安打をレフト線へ放つ。ヒットを打てない悔しさに苛まれた日々に終止符を打ち、自らの引退の花道を飾った。

 引退試合、引退セレモニーを開催してもらえるとは思っていませんでした。球団に引退を伝えたときに「引退セレモニーを考えている」と言われたときはうれしかったですね。同時に、「本当に終わってしまうんだ」という気持ちに襲われました。10年間ロッテに育ててもらい、そのすべてを出し切ろう、楽しくやろうと思っていたのですが、いざ当日になると緊張しましたね(笑)。

 対戦相手のソフトバンク球団にも感謝しています。クライマックスシリーズを控えた時期だったし、第2打席ではいい当たりのショートライナーを高田知季選手に捕られてしまいましたが、真剣にプレーしてくれたことがうれしかったです。5回に久しぶりに(2016年10月4日以来)ヒットを打つことができましたが、それも二の次、三の次。ソフトバンクも含めてああいう舞台を作ってくれたことに感謝しています。

 10年間にわたって背中を押してくれたファンの声援には込み上げてくるものがありました。12球団で一番のファンだと思いますし、いいときも悪いときも熱い声援を送ってくれ、叱咤激励もしてくれた。ファンとともに同じ10年を歩んできたのかなと思います。

 引退を決断したのは、純粋に・・・

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惜別球人

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惜しまれながらユニフォームを脱いだ選手へのインタビュー。入団から引退までの軌跡をたどる。

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