2013年のドラフト指名選手連載の第3回は、社会人屈指の打撃力を誇る右の巨漢スラッガーだ。
アマチュア日本代表でも活躍した日本生命・井上晴哉は、今秋の第6回東アジア競技大会でも金メダル獲得に貢献。
国際舞台で経験した「日の丸の重み」を「自信」に変えて、猛者が居並ぶプロの世界での飛躍を目指す。 取材・文=岡部充代(スポーツライター)
写真=松村真行、石井愛子
身長180センチ、体重110キロ。その風貌からイメージされるのは「長距離砲」だ。実際、
広島・崇徳高時代は1年秋から四番を任され、通算31本塁打。中大でも東都二部リーグでプレーした1年春から四番を打ち、3本塁打を放つなど一部昇格に貢献した。日本生命での2年間は2大大会(都市対抗、日本選手権)で通算1本塁打に終わったものの、都市対抗予選や日本選手権対象大会では印象的な本塁打を何本も放っている。見る者の期待を裏切らない長打力を持っていると言っていいだろう。
しかし、日本生命の花野巧前監督は、井上晴哉の魅力を「右打ち」と言った。逆方向へ強い打球を打つパワーと、時に軽打でライト前へ運ぶ柔らかいバットコントロールを兼ね備えているというのだ。井上自身がそのことに「気付かされた」のは、日本生命に入ってから。「1年目のキャンプで監督に言われました。大学までは長打、長打、長打で、ブンブン振っていた。たまたま右へ行くことはあっても、狙って打つことはなかったですね」
大学3年時に初めて井上を見た花野前監督は・・・
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