週刊ベースボールONLINE

2015ドラフト指名選手クローズアップ
楽天2位・吉持亮汰 今年の指名選手No.1の走力

 

10月22日のドラフト会議を終え、各球団は交渉権を確定した選手へ指名挨拶を行っている。球団関係者と接触し、プロ野球選手としての実感を得る瞬間だが、同時に責任も芽生える。今週から本誌が注目するプレーヤーをクローズアップする。



関西六大学リーグ記録にあと3個に迫る62盗塁


 広島からの1位指名を受けた岡田明丈の会見が終わり、間もなく。岡田を含めたほかの野球部員とともにテレビ前の席に着き、自らの運命の行方を見つめ始めたところ、「吉持亮汰」の名が画面にアップで映し出された。楽天からの2位指名。当日は午後から岡田と過ごし、近くのファミリーレストランで気楽な予想を楽しんだりもしたが、「3、4位あたりかなと思っていたので(2位の)最初に選んでいただいてうれしかったです。中継が始まってからはずっと緊張していました」

 向こう気の強さがにじむ精悍な顔に安堵の色が広がった。事前には中日が上位候補にリストアップしているとの情報も出ていた。今年は交流戦のリーグ勝利数で勝ち越したパ・リーグにウエーバーの優先権が与えられ、2巡目はパの最下位楽天からの指名。セ・リーグ5位の中日が4番手に控える前で、堂々2巡目トップでの指名となった。ただ、これも楽天が1位指名で入札どおり、平沢大河(仙台育英高、ロッテ1位)の交渉権を獲得していれば、ポジションの重なる吉持を指名していたかは分からない。しかしともあれ、関西が誇るスピードスターの運命は楽天につながった。

 売りは何よりそのスピードだ。楽天の外れ1位指名、オコエ瑠偉(関東一高)のスピードは広く知られるところとなったが、塁間のスピードは現時点では間違いなくこちらが上。大学1年の春からレギュラー出場を続け、リーグ通算90試合で62盗塁。関西六大学記録の65個にはわずかに及ばなかったが、2年秋には成功率100パーセントで14盗塁を決めるなど、今ドラフトの指名選手の中でも足の威力はNo.1だろう。

「どんどん走って、二盗、三盗と続けて決められるような選手になりたい」

 言葉の中からもアグレッシブな姿勢を伝えてきたが、一方で・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング