10月22日のドラフト会議を終え、各球団は交渉権を確定した選手へ指名挨拶を行っている。球団関係者と接触し、プロ野球選手としての実感を得る瞬間だが、同時に責任も芽生える。今週から本誌が注目するプレーヤーをクローズアップする。 関西六大学リーグ記録にあと3個に迫る62盗塁
広島からの1位指名を受けた
岡田明丈の会見が終わり、間もなく。岡田を含めたほかの野球部員とともにテレビ前の席に着き、自らの運命の行方を見つめ始めたところ、「
吉持亮汰」の名が画面にアップで映し出された。
楽天からの2位指名。当日は午後から岡田と過ごし、近くのファミリーレストランで気楽な予想を楽しんだりもしたが、「3、4位あたりかなと思っていたので(2位の)最初に選んでいただいてうれしかったです。中継が始まってからはずっと緊張していました」
向こう気の強さがにじむ精悍な顔に安堵の色が広がった。事前には
中日が上位候補にリストアップしているとの情報も出ていた。今年は交流戦のリーグ勝利数で勝ち越したパ・リーグにウエーバーの優先権が与えられ、2巡目はパの最下位楽天からの指名。セ・リーグ5位の中日が4番手に控える前で、堂々2巡目トップでの指名となった。ただ、これも楽天が1位指名で入札どおり、
平沢大河(仙台育英高、
ロッテ1位)の交渉権を獲得していれば、ポジションの重なる吉持を指名していたかは分からない。しかしともあれ、関西が誇るスピードスターの運命は楽天につながった。
売りは何よりそのスピードだ。楽天の外れ1位指名、
オコエ瑠偉(関東一高)のスピードは広く知られるところとなったが、塁間のスピードは現時点では間違いなくこちらが上。大学1年の春からレギュラー出場を続け、リーグ通算90試合で62盗塁。関西六大学記録の65個にはわずかに及ばなかったが、2年秋には成功率100パーセントで14盗塁を決めるなど、今ドラフトの指名選手の中でも足の威力はNo.1だろう。
「どんどん走って、二盗、三盗と続けて決められるような選手になりたい」
言葉の中からもアグレッシブな姿勢を伝えてきたが、一方で・・・
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