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2021ドラフト指名選手クローズアップ

日本ハム3位・水野達稀(JR四国) 北の大地での躍動誓う「打てる遊撃手」

 

高卒3年目。入社時に覚悟を固めていたとおりホップ、ステップ、ジャンプでプロ入りを遂げた。2022年から指揮を執る新庄剛志新監督の下で、攻撃型ショートストップは「即戦力」の活躍が期待される。
取材・文・写真 寺下友徳

今年は宇多津駅[香川]の駅員として勤務。鉄道マンとして社会経験を積んだ


「このままでは、ドラフト指名はないかもしれない。初戦がポイントになる」

 今年7月の社会人野球日本選手権直前。JR四国の不動の遊撃手・水野達稀は並々ならぬ思いを持って、三菱重工Westとの1回戦に臨もうとしていた。

 なぜ、そこまでの決意を抱いていたのか。その理由は、丸亀城西高2年時(2017年)にさかのぼる。同年6月、丸亀城西高は香川県高野連主催の招待試合で清宮幸太郎(現北海道日本ハム)を擁する早実(東京)と対戦。この一戦で水野は5打数4安打、1本塁打、6打点に2盗塁と大暴れした。多くの関係者が注目した一戦で「ここではっきり、プロを意識するようになった」と、分岐点となった。それから1年後の3年夏には、リードオフマンとして13年ぶりの甲子園出場に貢献。日南学園高(宮崎)との1回戦で敗退(0対2)も、3年間で積み上げた本塁打は27本。攻守でアグレッシブなプレーで、インパクトを残す夏となった。

「3年でプロへ行く」と、明確な目標を掲げ、JR四国へ入社。チーム合流直後の2月、高知キャンプ中の埼玉西武B班とのオープン戦で、手応えを得る。「高橋光成さんにも、思ったより振り負けなかった」。高卒ルーキーはプロの投手を相手に得た自信を胸に、都市対抗四国予選では首位打者賞を受賞。東京ドームでも三菱重工神戸・高砂のエース・守安玲緒から本塁打を放った。入社2年目の都市対抗は四国銀行の補強選手として出場し、パナソニックとの2回戦で3安打を放つなど、チーム初の8強入りに貢献した。

 高校時代から定評のあった50m走6秒0の俊足と、遠投100mの強肩を生かした広い守備範囲に磨きがかかった。「社会人に入って、ミートポイントをホームベース寄りに下げて、ボールが見えるようになりました」。打撃面においても社会人トップレベルの投手に対して順応。ホップ、ステップの過程を踏み、プロ入りへジャンプアップするはずだった入社3年目、水野は大きな壁にぶつかる・・・

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ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフト指名選手クローズアップ

ドラフトで見事に指名を勝ち取った選手たちに焦点を当てる短期集中連載。

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