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Vol.20 永谷暢章[履正社高・投手]

 

今回は特別版として甲子園で光った高校2年生投手をクローズアップしてみたい。
同学年の溝田悠人とともに履正社高の二枚看板を担い、センバツ準優勝に貢献した。
まだまだ粗削りな印象の残る大型右腕は、この貴重な経験を糧にして、今後どのような成長度を見せるのだろうか。


 結論から述べれば、大柄の体格に力がみなぎり、地肩が強く、ストレートも速い。将来的には先発完投を期待できる右腕だ。高校2年生の現時点で素材は一級品。順調に成長していけばドラフト1位候補に名を連ねる可能性は高い。

 ただ、投球フォーム(8.0点)に関しては改善の余地がある。下半身から上半身への連動がうまくいかず、腕の振りが一致していない。それは、左足を上げる動作がスムーズにいかず、軸足に体重が乗らないまま投げにいく傾向があるからだ。地肩の強さがあるため、どうしても上半身の強さに頼る投球フォームになってしまう。また、前ヒザがリリース時に割れてしまい、それが制球の甘さを露呈する原因となっている。



 ストレート(8.5点)の最速は147キロで、この投手の最大の武器と言える。甲子園では先発・溝田悠人の後を受け、すべてリリーフで登板。4試合で18回を投げ、20奪三振という数字が光る。本人も「ストレートで押すピッチングで自信がつかめた」と語っており、自身の長所をしっかり認識できている。だが、球速は意識する必要はない。しっかりと体全体を使い、キレのあるボールを投げてもらいたい。

 変化球(7.5点)は・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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