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Vol.12 高橋奎二(龍谷大平安高・投手)
強いハートを持つ古都のライアン

 

3月21日に開幕するセンバツ大会で、史上3校目となる“春連覇”を狙う龍谷大平安高のエース。右足を大きく上げて投げるライアン投法が特徴的で、右打者のインコースを突く投球が持ち味だ。将来性も高く、明確な課題を克服できれば、ドラフト上位での指名もあり得る。

 昨春のセンバツでは背番号10を背負い、チームを優勝に導く力投を見せたサウスポー。昨夏の甲子園でもマウンドに上がっており、この春で3季連続の夢舞台となる。同世代の中では群を抜く経験値を誇り、実績も十分。昨秋からどれほど成長しているかが楽しみな逸材である。



 右足を高く上げてから投げる、いわゆる“ライアン投法”の投球フォーム(8.0)はバランスが良く、腕もしっかり振れている。目線もブレることなく、まとまりがあるピッチングフォームと言える。今のところ及第点の評価だ。だがこの先、もうワンランク上のレベルに行くためには、前足(右足)が着地する前に「間」を作ることが大事になってくる。俗に言う下半身移動である。投げ急いで、やや突っ込んでしまう傾向がある。「1、2の、3」の「の」を意識し、体重移動の時間を長く、粘りを出すことが重要になってくる。「間」を作れるようになると、ストレート(7.0)の球速は自ずとアップする。最速は140キロを超えるが、常時のスピードは130キロ中盤。腕の振りが良いため、同世代からあまり打たれることはないが大学、社会人のレベルだと通用しない。やはり常時140キロ台の直球が欲しい。

 球速が上がれば、投球術(7.0)の幅も自然と広くなる。右打者の懐を突くストレートは素晴らしいが・・・

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プロフェッショナルレポート

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元巨人チーフスカウトで現在はベースボールアナリストとして活動する中村和久によるドラフト候補生の能力診断。

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