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Vol.4 小野郁[西日本短大付属・投手]
スター性あふれる正真正銘の“新庄二世”

 

九州最速の148キロ右腕は、たくさんの魅力が詰まっている。
右打席に立てば通算15本塁打で、外野に守れば遠投120メートルの強肩を誇る。
また、コメント一つひとつに根拠があり、人を引き付ける力があるのだ。
かつて北海道、そしてパ・リーグを熱くさせた大先輩の路線を歩む。

取材・文=岡本朋祐
写真=BBM、
上野弘明(プレー)



野球以外の姿勢を見ていた指揮官に心酔

 自分の世界を持っている。好きな言葉は「夢」。小野郁に理由を聞くと、“ワールド”に引き込まれてしまう。「夢があるから、今の自分がある。甲子園出場もありますが、その先にプロ野球の夢があるから前へ進むことができる。夢を夢で終わらせない」

 投げては九州最速の148キロ右腕。バットを持たせれば、不動の四番で右打席から高校通算15本塁打。今秋の福岡県大会では、7試合で3本を量産した。久留米学園高との4回戦では大牟田市延命球場の場外へ、推定飛距離140メートル弾を放っている。2013年の“流行り”でもあった二刀流を地で行く高校生トッププレーヤーだ。

 小野の両親は大体大ハンドボール部出身。ともにキーパーを務め、父は身長185センチでインカレ出場の実績もある。西日本短大付高・西村慎太郎監督が「体のしなり、柔らかさは潜在的なセンス」と認めるように、運動能力は親譲り。小学校入学時にはサッカー、水泳も行い、最終的に野球を選んだ。中学時代には自然とバック転ができるようになった。

 本職の野球においても、中学時代に在籍した久留米中央ボーイズでは突出した存在だった。通算10本塁打のパンチ力だけでなく、ヤフオクドームで開催された3年生大会では最速140キロを計測。福岡は当然のこと、県外の有力校も“小野取り”へ名乗りを上げる争奪戦となった。西日本短大付高がある八女市と久留米市は隣接しており、西村監督は「地元に残したい」思いが強かった。指揮官は時間を見つけてはグラウンドや試合会場へ、地道に足を運んだ。小野に、その誠意が伝わったのである。

「ボーイズ時代は主将だったんですが・・・

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