鹿児島県にある第一工大。大学選手権、明治神宮大会を通じて全国大会へ駒を進めたことはないが、育成力がすでにトップレベルの域に到達している。埼玉西武へ3人ものプロ野球選手を輩出。今年も右の大砲に、複数球団が興味を示している。 取材・文=新甫條利子 写真=湯浅芳昭 県リーグ2季連続MVP
スケールの大きさが魅力 ランニングをしているだけで、強烈な存在感を放つ。190センチの長身に、どっしりとした下半身。ひとたびバットを持てば、体重96キロの体躯をしなやかに扱い、時にコンパクトに、時に豪快に、振り抜く。
「大学球界でこれだけサイズに恵まれた選手は、5年にひとりくらいじゃないでしょうか」
岡留浩紀監督も、そのスケールの大きさに「夢がある」と期待するのが、第一工大の主砲・
原泉だ。
大学1年から四番に座り、鹿児島県大学野球リーグでは、3年生の13年春に4試合連続本塁打の活躍などで、自身初のMVPを獲得した。同年秋も2季連続MVP。「当たった瞬間に入る飛距離が魅力」(岡留監督)という右のスラッガーだ。
同校野球部の部員数は87名。県リーグでは、原が入学する前年の秋から今春まで8連覇を達成しているが、九州地区大学野球選手権は11年春の準優勝が最高順位で、あこがれの舞台・神宮に足を踏み入れたことがない。それでも、07年に
藤原良平、09年に
美沢将、昨年は
福倉健太郎といずれも埼玉西武に3人のプロを輩出した。そして、4人目のプロに……と期待されているのが原である・・・
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